モトグッチへの道:4(V7II試乗)

「うん、長い時間レンタルしないとわからないよね」という思いがフツフツと。ここで出てきたモトグッチ。今までなんで候補でモトグッチが出てこなかったかと言うと通い慣れたバイク屋は国産一本だったから。外車という選択肢が元々なかった。

それが、例の車検事件で外車という選択も出てきたのだ。そうすると俺の理想のバイク選びの幅が俄然広がってくる。モトグッチV7の良いところ。

「軽い」「小さい」「空冷Vツイン(ツインはV型がやっぱり好み)」「燃費が良さそう」「(ネットによると)あまり故障しないらしい」「部品代も(ドカに比べると)安い」そんな印象。これって理想なバイクじゃない?

以下、その時のレビュー。

レンタルバイク店で9,000kmを走行した車体を借りる。

一日の走行距離ほぼ300km。燃費24km/L!

「THE 旅バイク」「絵になるバイク」

これが、このバイクの大きな2つの感想だった。これは、8時間のバイクレンタルの半ばまでの感想。終盤は色々考えさせられることになる。

さて、八王子のお店沿い国道20号を西に出発。・・・する前にニュートラルから1速に入らない!エンジンが暖まってなかったからか。モトグッチ特有のシフト感がない、グニュっとしたシフトからか。とりあえず蹴り込んで(笑)1速に入れる。エンジン暖まってからは大丈夫だった。

走り出してまず最初に感じたのはチェンジペダルが見つからない。いつもスポーツ寄りのバイクに乗ってるから、いわゆる殿様ポジションで乗るバイクに慣れてない。アメリカンじゃないんだけどイメージとしてはシフトアップは脚を前に出して搔き上げる感じ。しかもワークブーツ履いてたから爪先の繊細な感覚が掴めない。

加速する。50馬力程度のバイクだけど、流石2気筒の750cc。気持ちいい加速。ただ、殿様ポジションなので加速時に尻が後ろにズレる。

う~ん、セパハン・バックステップだったらなぁと途中何度も思う。そして、バーハンドルなんてセロー225以来だから、なんていうかバイクの曲がり方がわからん!交差点で少し傾ける度に首も傾げる。難しいな(笑)。

次に思ったのが縦置きVツインの右に傾く癖。それ自体はすぐに慣れた(正確には長距離乗ったら気になる部分はあった)のだけど、最初の印象は癖があるけど、排気量のお陰で乗りやすい!というなんだかわからん感想。

なので、実際どんなバイクなのか長距離乗ってみないとわからない。八王子インターから中央自動車道で西へ向かう。やはり加速が気持ちいい。ツインの加速感好きだなぁ。しかもパラツインよりVツインが良い。そして持て余さないパワー。鼓動感も良し。

100km/h巡航。カウルが付いてないのに問題ない。振動も気にならない。これいいぞ!プラスαの時速でも上体が起き上がってるポジションなのに気にならない。すげーな、大きなバイクってこんな感じなのか!ちなみにモトグッチ、大きなバイクって言っても排気量が750ccなだけで、車体の大きさ、重さは250~400cc並み。取り回しはとても楽チンなのだ。

そーすると、排気量が大きいと100km/h巡航している時のエンジンの回転数の低さが疲れないのだろう。

いつもだったらヒーヒー言いながら高速乗ってるのに気にならない。いつまでも乗っていられる感じ。最高だな。双葉SAでトイレ休憩。疲労感はなし。

1つ気になるところ。

道の継ぎ目でのショックがガツンと来る。サスがきちんと吸収してくれない。この辺は長距離走ってみるとどんどん気になると思う。

フロントはタイヤやオイル替えれば済むことなのか?スポークホイールのタイプじゃないとダメって事はないだろうか?

そのままジャンクションで静岡方面へ。80km/h巡航も気持ちがいい。旅バイクだわ、これ。

このままレンタルアップして売ってくんねぇかな、これ。

1個目のインターチェンジで降りて一般道へ。

ビックリしたのが、ゆっくりした車の流れで30km/hで走ってても楽しい事。回さなくていいエンジンっていいなー。

殿様ポジションも慣れてくるといいかも。一般道で景色を見ながら流すのは最高。

道の駅富士川で休憩。どら焼きを1つ食べる。エンジンを切るとチンチンとエンジンから音が聞こえるのも空冷っぽくて良い。

この後、四尾連湖行ってお風呂でも行こうかと考えながら田舎道のワインディングへ。車体を傾けるのはよっこらしょと慣れないが車体が軽いせいかヒラヒラとバイクが倒れる。なかなか軽快。でも曲がり方がやっぱわからん。

登りのきつい坂もトルクが太いから気持ち良く登っていく。

『ゆるキャン△』でやってた四尾連湖、湖畔まで行くのに有料の駐車場に止めないといけない。うーん、と考えたが今日は試乗がメイン。やーめた。砂利の駐車場でUターンも楽々。この辺は軽い車体のアップハンドル楽だよね。小回り効く。

で、風呂も時間かかるからとやめてひたすら走る事に。本栖湖へ向かおう。

下りのクネクネしたワインディング、あまり面白くない。

考えた。!これは飛ばしちゃいけないんだ(笑)。ゆったり流すと凄く楽しい。こーゆーバイクなんだね。もちろんレンタルバイクだから無理できないから出来ないけど、あまり倒すとステップとか擦りそう。

やっぱりセパハン・バックステップかな。

本栖湖に着いた。ここのトイレ、『ゆるキャン△』の主人公が最初に寝てた場所だ(笑)。バイクに跨りながらバックするのも車重が軽いから楽々。ポイント高し。

湖畔沿いのワインディングも気持ちいい。そこから山中湖へ。時間制限あるし、勿体無いからとずっと乗ってたせいか少し疲れてきた。

山中湖から道志みちへ。最近バイクが多い道の駅。なんか怖いから(笑)すぐに退散。途中左折して都留方面へ。EX-4でエキサイトしたワインディング。走り屋が多くてちょっと気がひける。でも、何となく上手く走れない。

さて、そろそろ中央道使って帰らなくちゃ。道の駅でオニギリ一個。美味っ!家に帰ってから気がついたんだけど、道中水分を摂ってなかった事に気づく(おじいちゃんか!w)。それもあって八王子までの道のりは遠く疲れた。

国道20号の下道を延々と登ったり下ったり。ここを下道で走るのも懐かしいと考えてたけど、前述の水分不足のせいか少しヘトヘトになりながら乗っていた。

クラッチの重さは、このくらいの重さが限界だな。信号待ちでブルブルと縦置きVツイン由来の揺れを感じると、自分の余力のない中だと疲れを助長する。

そして、気になるのはやはり何回やっても入りにくいニュートラルと、ギア。キチンとギフトダウン出来なくて本当に適当に蹴っ飛ばしてシフトダウンしてるという(笑)。

もう一つ。これは後で冷静になって考えてわかったことなんだけど、街中での進路変更などは瞬発さを要求される。シフト操作もそうなんだけど、ウインカーの位置が最後まで馴染まなくて操作しづらかった。するとどうだろう、瞬間的に操作できないとウインカー出さずに何度か進路変更してた事があったのだ。

気分としてはiPhone6が片手で操作できなくて、イライラしてSEに機種変更した感じ?操作系が億劫だとストレスが溜まる。

もしかしたらスイッチ等の配置の問題よりもハンドルに垂れ角が付いてないバーハンドルだからそもそものスイッチの角度がいけなかっただけかもしれない。

何しろ、スイッチ操作にストレスを感じてたことは間違いがない。

あとね、マフラーの音がもう少し静かでもいいかな。もういい加減おじさんだからさ。あと、シートに関して。悪くはない。少なくともホンダ・ブロスほど痛くはならなかった。しかし、EX-4の極上シートには敵わないかな。後半少しお尻の芯に響くような感じの痛み?疲れ?を感じた。

国道20号の下り坂、うーダルい(多分水分補給してないせいw)。京王線の高尾山口駅を越えるといきなり街中に飛び込む。こんな急だったっけ?そして八王子市街へ。

バイク屋さんの近くでハイオクのガソリンを注入。12.5Lしか入らず。確か22Lのタンク。300km走って!燃費は24km/L。すごい。あと10L残ってるとすれば、ワンタンク500km!!スゲーな。旅バイク!!

バイク屋さんに戻す。ホッとする。

やはり他人のバイクだからね。傷付けず返せて良かった。

店長さんらしき人とバイク談義。モトグッチは輸入元があまり力を入れてなくて、部品が来なかったり、待っていたらその部品自体が生産中止になったり・・・と、あまりオススメ出来ないと。うーむ、そーすると考えちゃうな。ディーラー対応だと無理だけど、モトグッチを深く扱っているショップだったら対応出来るのか?その辺は不安。

まぁ、でも(個人差だと思うけど)疲れたなぁ、というのが印象。何度も言うけど水分不足かも、だけど。

あと、シフトの感覚。スイッチ操作の感覚。その辺はどうにもならんかな。

自分の愛車EX-4に乗り、店を後にする。いい店だった。

で、アクセルを煽る。ウィーン・・・走らない(笑)。アクセル重っ!!遅くてモッサリしてるバイクだなー。そんで、なんだこのポジション。レーサーか!

って、直前に乗ってたバイクが基準になるので相対的にそう感じるだけなんだけど。

でも何だろうこの安心感。コンパクトでヒラヒラ動く。交差点ではスパっと曲がる。あぁ、こんな感じ。楽々だわさ。

なんだ、俺のバイクいいバイクじゃないか!(笑)。遅いけど。

水分不足でも疲れないバイク。がはは。

乗り換えても、さっきのバイクの方がいいな、乗り続けたいな、と思えるバイクが出て来るまでEX-4でいいじゃん!と結局はそう思う結論になってしまいました。

・・・との事。しかし事態は刻々と変化しているEX-4はもう売ることが決まっているのだ!

モトグッチV7Ⅲ Stoneとの日々

1970年生まれのおっさんライダーが初の二輪外車で感じたことを綴る。

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